管楽器修理屋さんの思い出

管楽器修理屋さんの思い出

先のトランペットの記事に、真っ先にコメントを下さったリペアーマンさんのブログを尋ねましたら、管楽器の修理をしてらっしゃる方でした。

そこで、思い出玉手箱の奥底から、ふっと思い出した事がありますので、これを忘れないように書いてみます。

トランペットに燃え、トランペットで身を立てようとがむしゃらだった学生のころの事です。

学生ですから、時々ベルをへこませたり、ぶつけたりと、ボコッ!ベコッとやってしまう事がありました。

困っていると先輩が、「トランペット修理のうまいところがあるよ」といって、一軒の管楽器修理のお店を教えてくれました。

新大久保で降りて、先輩が書いてくれた地図を頼りに、プロも通っているという一流の管楽器修理のお店を目指しました。

ちょっと記憶が不確かなんですが、パンツ屋さんかなんかのお店の角を左に曲がると、細い路地になっていて、そこを進みました。

とても一流の管楽器修理屋さんがあるとは思えない雰囲気にってきましたが、「この先が開けてるのかな」なんて思いながら更に進むと、路地が更に狭くなり、両脇の家が古びた長屋のようになって来ました。

「こりゃ道を間違えたかな?」と思い周りをじっくり見回すと、なんと、すぐそばの長屋の小さな入り口に「管楽器修理」の文字。

「ほんとかよー!」大丈夫かなーと思いながら中に入ると、怖そうなおじさんが黙々と作業をしてました。

なかなか声をかけることもできずに見ていると、「なに?見せてみろ」と面倒くさそうに言われ、楽器を差し出すと、手にとってチラッと見て、「1週間後に来て」と言われたんですねー。ひょっとしたら、来てじゃなく、来い!だったかもしれません。(とにかく怖かったス)

確か、預り証も何もなかったんじゃないですかねー。当時の自分にとっては武士の刀に等しいトランペットを預けるのに、「1週間後に来て」だけなんです。それからの1週間は心配で心配で気が気じゃなかったです。そんな私を見た先輩は大笑いしてましたけど。

1週間後行って見ました。中に入ると「おっ来たか」「ホイこれ」と渡してくれた楽器を見てビックリ。きれいなんです。
こんなに完璧に直してくれるとは思ってもいなかったので、感動してしまいました。

しかも、その管楽器修理店のおじさん、私の身なりで「金持ってないな」と分かってたんでしょうね。修理代をとても安くしてくれました。今では正確な金額は忘れてしまいましたが、学生が感動するくらい、安かったわけです。

ただ怖いオヤジさんだったお店のおじさんのイメージはとっても優しい、いいおじさんに変わってしまいました。

今にして思うと、そうやって、演奏家を目指す学生を援助してくださっていたんでしょうね。

当時は路地の奥に2軒管楽器修理のお店があったんですが、私がお世話になったのは、確か「高橋」という名の管楽器修理店でした。

今でも、立派に続けておられて、管楽器修理では老舗中の老舗になっているそうです。

オヤジさん!演奏家には成れなかったけど、あの時のご恩は忘れていません。どうもありがとうございました!



posted by ヒロト at 12:21 | Comment(13) | TrackBack(2) | 音大時代の思い出
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