コップから水があふれ出るように

小学校の5,6年の頃だったと思いますが、当時福岡の福岡音楽学院に通っていた私は、将来ベートーベンやモーツァルトのような偉大な作曲家になりたいと真剣に思っていました。

それで、レッスンの日などの帰り道、大きな本屋さんの音楽コーナーで、音楽の本を手にとって、中をぱらぱらと読むのがとても楽しくて、よくそうしていました。

或る日、いつものように、本を手に取っていると、横で本を探していたお兄さんが、「キミは音楽が好きなの?」と聞いてきました。

それで、「はい、大きくなったら、作曲家になりたいんです。」と応えました。

すると、そのお兄さんは、「ほーっ」と言って、「じゃ、いい事を教えてあげよう。」と言って、こんな事を話してくれました。

「あのね、ここにきれいなコップがあると思ってごらん。そして、そこに上からこれもきれいな水を少しずつ入れていくんだ。するとどうなる?コップは水でいっぱいになってくるだろう?そして、それでも入れ続けていると、きれいな水がどんどんあふれて出てくるよね。作曲もこれと同じ。今のうちに、キレイな曲をイッパイイッパイ聴きなさい。そしてずっと聞き続けていると、いつの日か、自然に、君というコップからキレイな曲が湧き出てくるようになるよ。」

そのときの私は、きっと夢見る乙女のような目をして、お兄さんを見つめていたと思います。

今にして思えば、子供には似つかわしくない作曲法などという大人が読むような本を手にしている子供の軌道修正をしてくれたんだろうと思いますが、とてもいい思い出として、時々思い出すものですから、書いてみました。
posted by ヒロト at 10:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小さい頃の思いで
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